インクライン
2024.08.01 (木)

インクライン2024.8月号を掲載しました。

開始日:2024.08.01 (木)

巻頭言 号令だけでは動いてくれませんでした

小学生の1年間だけですが焼津市民だったこともあり、懐かしさのあまり一も二もなく参加を申し込みました。今年の研修旅行は静岡県焼津市の「あおい
税理士法人」で、多々良信彦先生と森祐輔先生が共同代表としてご活躍されています。

効率的な働き方と成長の両方を目指し、残業時間=1か月1.1時間、有給取得率=100%、研修時間=年間81時間を達成しているほか、税理士試験前には
1か月間の試験休暇制度があります。先生曰く、平成27年までは超ブラック事務所だったが、朝に事務所前で職員さんが倒れていたことをきっかけに「生産性の高い事務所を作る」ことを決意したとのことです。生産性向上を「付加価値の向上=TKC方式の徹底」と「働き方の改善=TKCシステムの徹底活用」と定義し、人を大切にしつつ(働き方)成果にこだわる(付加価値)という理想型を念頭に、約10年をかけて変革を果たされました。

○代打制度

担当顧問先の「脱・属人化」はTKCシステムの徹底活用にあり。右も左もわからない新入職員にとって、やるべきことをシステム通りに進めることで正確な業務ができて安心につながる。業務の標準化が進み、効率や品質が改善される。属人化しがちな情報・ノウハウもシステムを使うことで所内に蓄積されていく。そう、「巡回監査支援システム」の徹底活用による「脱・属人化」で巡回監査を専属担当者以外の職員が代行する「代打」を制度化して、税理士試験前の長期休暇取得を可能にしています。

決算事務においても積極的に新人職員に代打させることで教育期間が短縮され、月次担当者が決算担当者へ引き継ぐことで巡回監査の品質が向上する、といった効果があったとのことです。

これも業務プロセスが標準化されているTKCシステムだからこそ採用できた制度といえます。

○職員の定着には「やりがい」が必要

「自計化前は、入力を急かされるのも、ミスをして謝るのも事務所側でした。それが自計化したら真逆になったのです」

資料がなかなか集まらず、常に期限に追われ、急に試算表を求められ、帳簿のミスの責任を負わされ、研修どころではないから成長できない、こんな「記帳代行あるある」からの脱却が、自計化の推進を通じて付加価値を向上させて給与水準も向上させることにつながりました。具体的には勤続年数に応じたモデル賃金を基礎に、事務所の重点課題業務(例えばポスコロ支援、クラウド導入、企業防衛、40日決算、ペポルインボイスなど)に応じてプラスマイナス査定をするという、賃金と事務所方針をリンクさせた給与体系を取り入れています。

○TKCシステムで社長を数字に強くする

巡回監査時の社長との面談では「社長への業績報告ではない、業績質問だ」という意識で会話すること。業績の要因分析は社長の仕事であり、「いい報告ではなく、いい質問」を心掛ける。「限界利益率の改善に貢献した売上商品は何ですか?」とか、限界利益率が悪化していたなら「商品の売れ筋はどう変わりましたか?」とか、「固定費はなぜ増えたかの要因を押さ え て い ま す か?」と いった質問 を繰り返 すことで 、社長に業績管理の大切さを意識していただきます。継続MASシステムによる決算対策と必要資金から求めた必要利益を試算した計画策定を毎期実施することで、社長が黒字化の必要性や変動損益の仕組みを理解でき、黒字割合が確実に向上するし、延いては関与先とともに事務所も発展します。関与先からのシステム利用料金の不満は、システムを活用しきれていないためであって、システム活用度合いを一覧(銀行信販、証憑保存、など)にして関与先に提示して、多くの機能を提案して価値を提供できるようにしています。

会員から会員へ 働き方改革

~ その改革は誰のため!? ~ 洛南支部 市原 鉄平

「常に明るく前向きに!心身ともに絶好調!」

がモットーの洛南支部の市原鉄平です。

歳を重ねるにつれて、時の流れが早く感じる毎日です。有限の時間を最大限に活用するためにも、働き方改革は自身にとっても最重要テーマです。せっかくの機会なので、カテゴリー別に改革を考えてみました。

《職場では》

働き甲斐のある職場環境を創ろう! ということで、残業改善や休暇取得などの制度見直しから、コミュニケーション促進や設備環境向上などの社風醸成や基盤整備まで、いろいろと取り組んでいます。

一般的な内容ばかりですが、当たり前のことを当たり前にできるようになることが、社員の幸せにつながると信じて、一つ一つコツコツと進めていきます 。そして 、それは 、顧客サービスの向上にもつながるはず!

《家族では》

時間も曜日も気にせず、ほぼ不在にしており、すっかり家族のことは後回し…。知らぬ間に子供たちも大きくなり、ゴールから逆算すると、子供たちと一緒に過ごせる時間をもっと大切にしないと!と思う毎日です。隙間時間などを利用して、少しの時間を多くの回数でカバーするように意識しています。 妻とは、晩御飯のありなし確認だけ が 、ル ーティンの会話となっています…。改革の方法を教えてください…。

《自分に対して》

そんな毎日を過ごしながら、結局は、常に何かをしていないと気が済まない性格なのかなと思いつつ、「取り組むカテゴリー(仕事・家事・行事)を変えることで、その都度リフレッシュする 」ことを心がけています 。

先日、片付けできない子供たちに対して「父:お父さんは、掃除や片付けながらリフレッシュしているよ!」→「 子 供:ストイックすぎて意味不明やん」との会話がありました…。

《 常に明るく前向きに!》

なんだかんだ言っても、人生の大半を仕事に費やすことになるので、充実した働き方を探求しながら、社員も顧客も家族も私自身も、明るく豊かな人生を歩めるように 、これからも、常に明るく前向きに楽しんでいきます!