インクライン2024.11月号を掲載しました。
開始日:2024.11.01 (金)
Livin’ on a Prayer ~秋季大学開催報告~
TKC近畿京滋会 副会長(秋季大学実行委員長) 鈴木 智博
【一歩を忘れるな!】
「みなさんもよく知っている小学校の校庭に立っていた二宮金次郎像の一番大事なポイントは何でしょうか?本を読んでいることでも、薪をたくさん背負っていることでもないんですよ 。ここ 、よく見てください。足です。その足を一歩、小さくても一歩、前に出して進んでいますよね。どんな時も一歩を忘れない。それが一番大事なのです。」
基調講演の冒頭、中桐先生のこの言葉にドキリとさせられた。そうか、この二宮金次郎像のカタチに実践家としてのすべてが込められていたのだ。まず一歩。どんなに小さくてもまず行動なのだ。
2024年9月18日水曜日に第31回近畿京滋会秋季大学「翔んでTKC ~BIWAKOより愛をこめて~」が開催された。大勢の方にご参加、ご協力を賜ったことをあらためて御礼申し上げます。当日の天気は晴れ。秋晴れのさわやかな天気と言いたいところだが、気温は摂氏35℃の猛暑日。参加者の方が熱中症で倒れたりしないかを心配しながらの開催となった。
【バーンと。ドーンと。】
秋季大学に向けての実行委員会は、だいたい一年ぐらい前から始まる。大まかに決めなければならないことは、メインテーマ、メイン研修内容、懇親会のプランの3つ。もちろん、最初にテーマを決めて、そのテーマに沿った講師を依頼し、最後の懇親会のプランをまとめるというのが本来の流れなのだが、滋賀支部はそうではない。話し合いをしていて、楽しい順に決めごとをするのが中西元支部長以来のスタイル。
「どんな懇親会がいいやろ?」
「わちゃわちゃと。」
「 やけど 、ギュッとしたいな 。」
「そこでバーンと出して、ドーンと盛り上げやな。」
他人には、ほぼ擬音のみの会話は、意味不明だろう。しかし滋賀の実行委員会メンバーにはこれで充分。あっという間に、祭りイメージして櫓を組んで参加者みんなで踊るという具体的なイメージが固まったのだ。いったい僕たちは、いくつの夜を飲み明かしてきたことだろう。そんな第1回の実行委員会。
【にのみや?】
「実はいま二宮金次郎に興味があって、中桐さんと言う子孫の方がいい講演をしてはるらしくて・・・。」第2回目の実行委員会の冒頭に研修会担当の大黒くんからの発言。他に意見はないので、前向きな提案はとても嬉しい。しかし「二宮金次郎?いま?なぜ?」の疑問が出たので参加者全員でググる。心田、報徳、積小為大、分度、推譲、道徳なき経済は…、600の村を再生等々。なにか気になるワードが次々と引っかかる。これ、面白い話が聞けそうじゃないか?いや、聞きたい。これまた全員一致で講師を決定。こういうみんなの予感が一番大事なのだ。この勘を信じよう。いったい僕たちは、いくつの夢を語り合ってきたことだろう。そんな第2回目の実行委員会。
【本番開始3時間前・・・】
「ともちゃん、あんな。一昨日、原稿作ってシミュレーションしたんやけど、やっぱりオレの大学長挨拶の時間10分で収まらへんのよ。20分欲しいとこやけど、せめて15分ぐらい話させてくれへん?」
タイトなスケジュールの秋季大学の開始3時間前に、こういうことを平気で言うのは川添先生ならではだと思う。「秋季大学は単なるお祭り騒ぎとちゃうのよ。最初にちゃんと伝えとかな、あかんのよ。」その熱意には応えなければならない。現場のチームが動線を見直してくれたりして、なんとか時間をひねり出した。
「秋季大学はTKC理念を再確認する場。全国会の結成目的に立ち返って地域会で結束しよう!」メッセージが確かに伝わったということは、会場の空気がビシッと引き締まったことですぐに分かった。1年に1回だけの秋季大学。その冒頭に聞く理念の話は、参加者を基調講演の中桐先生の話を聞く姿勢へと自然と導いてくれたのだ。
【Livin’ on a Prayer】
講演会に続く懇親会も終盤に。懇親会担当の澤田くんの、会場の真ん中に櫓を組んで踊りDJさんに煽って貰うというド派手な演出は大当たり。参加者みんなで江州音頭からの総踊りは異常なほどの盛り上がりを見せた。提灯の明かりが、その心地よい余韻に浸る参加者の頬を赤く染める。
真っ先に踊りの輪に飛び込み、すでに汗びっしょりの佐藤会長と一瞬、視線が交錯する。
「踊りは見てるだけよりも、一緒に踊った方がもっと楽しいなぁ。TKCの活動も一緒やなぁ。」会長がニヤッと笑ったその時、最後の歌が始まった。
We’ll give it a shot やってみよ!
We’re half way there 僕たちはまだ道半ばで
Livin’ on a prayer 祈りながら生きている
関与先の発展のために祈りをもって全力投球。みんなで一緒に、一歩踏み出すのだ。小さくても。