インクライン
2025.03.01 (土)

インクライン2025.3月号を掲載しました。

開始日:2025.03.01 (土)

全国会理事会報告
~近畿京滋会のTKC全国会運動方針の3年間の活動の成果と新たな運動方針~
TKC近畿京滋会 副会長 久乘 哲

はじめに

令和7年1月17日に第151回TKC全国会理事会が開催されました。今回は、その報告をさせていただきたいと思います。
今回のTKC全国会理事会は、令和6年度巡回監査士・巡回監査士補の試験結果と優秀合格者の表彰から始まり、全国支部長会議表彰、さらに令和4年から令和6年までの3年間の全国会の活動結果についての報告と表彰がありました。その後、令和6年4月に発足された「会計事務所の経営革新」検討プロジェクトからの報告がありました。また、令和7年TKC全国会政策発表会が開催されました。

全国支部長会議表彰

全国支部長会議の表彰として、バッチ会員割合の上位3支部(各規模別)の表彰がありました。近畿京滋会としましては、小規模支部部門(会員数50名未満)で、両丹支部が3位(77.8%)で表彰がされました。小規模支部は、全国会で35支部あります。その中での3位とすばらしい結果を残されました。

TKC全国会運動方針活動表彰

続いて、TKC全国会運動方針表彰(令和4年~令和6年)がありました。ここでも、近畿京滋会の躍進が発表されました。まず、税理士の4大業務に関する地域会表彰として、FXシリーズ第2位、書面添付第1位、TKCモニタリング情報サービス第1位、そして、一気通貫割合第1位と6部門のうち、3部門で第1位、1部門で第2位とすばらしい成績を収めたことに対して、佐藤会長が表彰されました。
また、支部表彰においては、FXシリーズで滋賀支部が第9位、書面添付で洛北支部が第3位、滋賀支部が第4位、洛西支部が第6位、TKCモニタリング情報サービスで洛北支部が第1位、滋賀支部が第2位、洛西支部が第3位、一気通貫割合で滋賀支部が第9位とすばらしい結果が発表されました。その中でも、TKCモニタリング情報サービス第1位の洛北支部長の中村剛先生が壇上に上がり表彰を受けられました。
いずれもすばらしい成績ですが、特にTKCモニタリング情報サービスでは、127支部中、第3位までを近畿京滋会の支部が独占するという快挙を成し遂げました。
さらに、委員会表彰では、中央研修所の巡回監査士・監査士補の増大で第1位、企業防衛制度推進委員会の企業防衛保有契約高で第1位、書面添付推進委員会の書面添付(法人税)実践件数で第1位、ニューメンバーズサービス委員会の会員増強で第1位と、これまた、非常にすばらしい成績が表彰されました。
そして、全国会目標のTKCモニタリング情報サービス35万件突破と、継続MAS予算登録10万件の達成という不可能かと思われた目標も達成することができました。
これも、近畿京滋会の会員の皆様、そして職員の皆様が、日頃からTKCビジネスモデルを実践されてきた結果だと思います。ただただ、すばらしいとしか表現のしようがありません。これらの表彰が発表される場にいれることを誇りに感じました。この3年間の活動を思い起こし、少し目頭が熱くなりました。
この3年の活動の成果は、全国会に対して、「京滋会ここにあり!」を証明したような結果だったと思います。理事会等の後に開催された令和7年新春賀詞交歓会では、多くの他会の先生方に、「京滋会はすごいなぁ」という声を掛けていただきました。

会計事務所の経営革新検討プロジェクトからの報告

令和6年4月8日に会計事務所の経営革新検討プロジェクトが発足されました。そして、会計事務所の経営革新について、検討が繰り返されて、今回、その成果が発表されました。プロジェクトの成果物として、①近未来の巡回監査の実践の手引としての「TKC会計人 業務の未来設計」、②近未来の巡回監査のイメージ動画としての「税理士の未来」が紹介されました。この動画がすばらしい。FXクラウドシリーズ時代における巡回監査の在り方が表現されていますが、まさに近未来の巡回監査はこうあるべきなんだろうなぁと感じました。
動画の近未来の巡回監査のポイントは、大きくは2つ。ひとつは要件事実の確認です。これは、証票からだけでは読み取れない部分もありますから、巡回監査をして現場を確認し、経営者等にヒヤリングをするなどして、要件事実を確認する必要があります。もうひとつは、経営助言です。巡回監査前に事前に残高などについて突合することによって、監査時に経営者と対話をする時間の確保することができます。その時間を経営助言に活用する必要があります。現場で洞察して要件事実を確認し、経営者と対話をする。そして、その結果について、責任を取る。これらはAIではできないことです。
是非、「TKC会計人 業務の未来設計」を読んでいただき、「税理士の未来」を観ていただきたいと思います。

令和7年TKC全国会政策発表会~新たな運動方針~

理事会終了後、令和7年TKC全国会政策発表会があり、新たな運動方針が紹介されました。新たな運動方針は、「会計事務所の経営革新」になります。運動方針の統一テーマは、「税理士の4大業務を完遂し、中小企業を元気にしよう!」となりました。新たな運動方針は、第1フェーズと第2フェーズにわけられています。第1フェーズが令和7年から令和8年、第2フェーズが令和9年から令和12年となります。そして、第1フェーズのサブテーマは、「月次決算体制の構築がすべての基本」となりました。そして、第1フェーズの3つの活動方針として、①月次巡回監査の実施関与先を増やす、②FXクラウドシリーズでTKC方式の自計化を推進する、③月次決算速報サービスを活用し、自己資本比率の向上を支援する、という3つになりました。
令和7年からの6年間であるこの新たな運動の目的は、「10年後、20年後においても、税理士が中小企業を元気にし、経営者や社会から感謝、信頼、尊敬される世界を創り出すことを目指す」ということです。わくわくするような目的だと思います。我々は、常に、職域防衛と運命打開を意識して税理士活動をするべきだと思います。その結果として、中小企業が成長・発展し、経済に貢献し、また、経営者や社会から、感謝、信頼、尊敬されることを目指すべきだと思います。今回の新たな運動の目的は、まさに、そのことが書かれています。
そのためには4大業務の同時提供が必要になります。特に、FXクラウドシリーズの推進を進めれば、巡回監査時の突合業務は監査前に事務所で終わらせることも可能になります。そのために、さらに経営助言の提供が必要になるということになります。FXクラウドシステムによって、巡回監査時にさらに充実した経営助言が提供できる時間を確保することができるようになるんですから。

終わりに

今回の全国会理事会では、TKC近畿京滋会の底力を改めて思い知りました。こんなにすばらしい地域会に籍を置いていることに誇りを持ちましたし、私自身も、多くの会員先生を見習って、さらに努力をしなければならないと改めて気持ちが引き締まりました。
今年から新たな運動方針に基づいた活動をしていくことになりますが、この活動方針をみて、わくわくするような未来が待っているような気がします。これから始まる新たな運動方針の期間についても、この3年間の成果のようにすばらしい活動ができればと思います。
みなさん!これからも税理士の4大業務を完遂し、中小企業を元気にしましょう!