インクライン2024.3月号を掲載しました。
開始日:2024.03.01 (金)
TKC全国会運動方針「会計事務所の経営革新」 副会長 大江 孝明
先日、令和6年1月19日(金)、「第148回TKC全国会理事会」「令和6年TKC全国会政策発表会」が開催されました。TKC全国会正副会長・理事、全国会委員長、各支部長、㈱TKCグループ各企業、政界、官界、経済界、学界等の来賓者含め総勢500名超の方が参加されました。
◆TKC全国会運動方針「“税理士4大業務”地域会・支部表彰」
冒頭に、TKC全国会運動方針2年目「“税理士の4大業務”地域会・支部表彰」が行われ、近畿京滋会が
「FXシリーズ利用社数」第1位
「MIS利用申込件数」第1位
「一気通貫割合」第1位
「書面添付実践件数」第2位
地域会表彰6部門中3冠を達成し、全国20地域会会長を代表として近畿京滋会佐藤会長が表彰されました。2024年はTKC全国会運動方針の最終年の総仕上げ、近畿京滋会は5冠を目指し、全国会を牽引できるようTKC運動を更に邁進して参ります。
◆TKC全国会政策発表会
政策発表会では、坂本孝司会長より、『未来に挑戦するTKC会計人~「会計事務所の経営革新」~』と題して講演され、この先の会計事務所の深刻な人材難に対応していく上で、会計事務所のイノベーション(新結合)が絶対不可欠である。デジタル化をさらに加速し、月次巡回監査からの“税理士の4大業務”を新結合し同時提供していくことが高付加価値事務所を構築する第1歩であり、「職員の待遇」を上場企業に近づけ、同時に「職員のやりがい」を醸成することが大切である。
DX対応を生産性向上と付加価値向上の唯一のチャンスと捉え、DX革命を我がものにし、会計事務所の経営革新をしていこうと発信されました。
◆TKC全国会運動方針「今、会計事務所に求められる経営革新」
佐藤正行全国会副会長から、全国会運動方針の3年間の最終年度「会計事務所の経営革新に向けた取り組み」が発表されました。
Ⅰ.外部環境の変化
法律・社会制度の変化4項目、社会環境の変化4項目、これらが事務所経営に大きい変化を与えるものと考えています。
法律・社会制度の変化では、「税理士法改正(第二条の三)」に、「税理士の業務における電磁的方法の利用等を通じた納税義務者の利便の向上等」が組み込まれ、今までツールでしかなかったデジタルが新たに税理士の業務に組み込まれました。
社会環境の変化では、国税庁が「税務行政の将来像2023」(図参照)として「事業者の業務のデジタル化」を公表し、ペポルインボイスや全銀EDIを軸として、①受発注・納品・請求、②支払・入金、③申告・納税までに至るまで一貫したデジタルインフラの構築する方向性が出されました。
我々会計事務所は、受発注業務から納税申告業務に至るまで、今までの様な手入力・転記が存在しない、一貫した読込・連携というデジタル構造の中で税理士業務を行うこととなります。
そこで我々TKC会計人はどう対応すればいいのでしょうか。
TKCシステムを活用した「事業者の業務のデジタル化」の全体像です。
販売管理・証憑保存機能等を活用したペポルインボイスによる受発注業務、銀行信販データ受信機能等を活用した全銀EDIによる入出金業務、月次試算表作成業務まで、FXクラウドで一貫したデジタル化に対応することができます。そして電子申告・電子納税までTKCシステムではその環境は既に整っています。TKCシステムの機能を一気通貫で活用することで、今でも「事業者の業務のデジタル化」は実現可能です。
トレイサビリティのある優良な電子帳簿、適時性や完全網羅性を検証する月次巡回監査、保証業務である書面添付、第三者証明である記帳適時性証明書、本来の我々の使命である適正申告をど真ん中に据えて、TKCシステムをフル活用することで、社会からのデジタル化の要請に応えていきましょう。
そして本格的なデジタル社会を迎えて、我々TKC会計人に今本質的に求められているものは、DXを単に推進するだけでなく、DX革命を我がものにして会計事務所の経営革新を実現し、職業会計人としての社会からの本来の要請に応えていきましょう。
Ⅱ.今、会計事務所に求められる経営革新
条件変化・DX時代において、TKC会計人に求められる社会からの本来の要請は、大きく3項目あると考えます。
①DXを活用した生産性向上と付加価値向上(「会計」と「経営助言」)
②経営者を鍛えるTKCシステムの活用と巡回監査の断行(「税務」「会計」と「経営助言」)
③優良な電子帳簿・書面添付による適正申告(「税務」「会計」と「保証業務」)
今、会計事務所に求められる経営革新とは、「DX対応を基礎とした4大業務の同時提供」が展開できる事務所の構築を目指していくことです。
月次巡回監査を断行し、TKCシステムをフル活用し正確な会計帳簿を作成する。その正確な会計帳簿という単一のソース・データから、時代に合わせた結合させた税務・会計・保証・経営助言の4大業務を、全ての関与先に同時提供できる会計事務所を構築していく。そしてDX革命を我がものにして税理士業務の生産性と付加価値を極限まで高めていく、これが会計事務所の経営革新であります。
Ⅲ.全国会運動方針“会計事務所の経営革新に向けた取り組み”
(1)優良な電子帳簿を圧倒的に拡大する
「TKC方式の自計化」の推進
関与先企業・会計事務所のDX対応
❶全関与先にFXクラウドと証憑保存機能を導入
FXクラウドと証憑保存機能なしでは、関与先のDX対応はスタートすらできません。
従来版の自計化システムから移行も含めて、これからの一貫したDX対応の準備を早期に完了させましょう。
❷ペポルインボイスへの対応を開始
証憑保存機能・FMS・SX等を活用して、自事務所のペポルインボイス業務を確立し、これを関与先に広げて「事業者の業務のデジタル化」をスタートさせていきましょう。
❸DX対応を支援するTKCシステムの機能をフル活用
システム機能の徹底活用で、「一貫したデジタル処理」を実現することができます。
また機能の徹底活用は、DX化だけでなく4大業務の同時提供にも必要不可欠となります。
TKCの開発スピード、社会の変革に取り残されない事務所を構築していきましょう。
(2)租税正義の守護者となる
「TKC方式の書面添付」の推進
❶書面添付による好循環
巡回監査報告書を徹底活用し、地道に改善を重ねていくことにより所内体制を整備し、書面添付を実践できる巡回監査を徹底しさらに磨き上げることで、関与先のガバナンス強化と経営力向上に繋がり、結果として経営助言などの付加価値業務の実践と事務所自体の信用力となり、関与先増加と収益拡大、そして従業員のやりがいに繋がる。
会計事務所の経営革新の成功の条件は、書面添付の徹底を目指す所長の実践意思が必須です。
❷書面添付の増加がもらすもの
法人税申告件数に占める書面添付割合が10%に達しました。この件数の増加が書面添付の信頼性に対する外部からの期待や評価へと繋がっています。
坂本会長が日本監査研究学会での講演で、税理士の独立性と公正性を前提として書面添付がある決算書類には一定の信頼性が付与されること、また書面添付は標準業務であり制度として浸透しており、中小企業金融に活用され事例が増加していること等、これからの書面添付の学界への社会の納得へと歩みを進めています。
また、中小企業金融において、粉飾決算・粉飾倒産に悩む金融機関にとって、書面添付は税理士が関与先経営者を信頼することが前提となる制度という認識が深まり、その信頼性が全国の金融機関に広く浸透してきました。
書面添付の信頼性に対する外部からの期待に応えていきましょう!
(3)黒字化を支援し、優良企業を育成する
黒字化を支援し、優良企業を育成しよう!
❶TKC会報 2024年1月号「巻頭対談」
坂本会長は、「TKC会報」2024年1月号「巻頭対談」で以下のようの述べられています。
『知的でアグレッシブ、そして気概のある職員を確保する』ためには、「給与などの待遇」と「職業的な価値(誇るべき職業観)」、この2つを同時に提供できなければなりません。そのためには、DX革命を我がものにし事務所の体質改善を図り、「経営者を鍛えるTKCシステム」を使って「会計で会社を強くする」との姿勢で伴走支援(コンサルティング)を行うことにより会計事務所の付加価値が高めていくことが必要不可欠である。
❷業界全体の深刻な人材難への対応
人材の定着・確保、深刻な人材難に対応していくためには、職員の待遇改善、成長、やりがい・誇りを充足する事務所を構築しなければなりません。TKCには素晴らしい職員研修プログラムが提供されています。この宝の山を活用し、巡回監査を通じて研鑽して成長した職員が、この好循環の中でDXを活用した関与先企業の生産性向上と付加価値向上に貢献し、4大業務の同時提供を展開する。そして関与先の健全性と発展性の貢献し、関与先から感謝をいただく。
月次巡回監査体制を構築し、関与先企業の黒字化を支援しよう!
今こそ会計事務所の経営革新!DX対応により生産性向上と高付加価値経営を実現し、企業の黒字決算と適正申告を支援しよう!
会員から会員へ 働き方改革
「おじいちゃんとチャイルドシート」 洛南支部 小山 敏
「常に明るく前向きに!心身ともに絶好調!」
洛南支部の小山です。昨年末に初孫が生まれました。九州の大分に嫁に行った娘が、里帰り出産ということで11月から1月末まで、正月を挟んで、初孫の男の子、娘 、家内とにぎやかなひと時を過ごすことができました。そんな中、チャイルドシートを買いに行った時に気づいたことを書くことにします。
働き方改革について書かなければならないのですが、働き方改革のことがよく理解できておらず、いいことが 書けそうにありません 。そこで、最近気づいた世代間のギャップについて書いてみます。
チャイルドシートを色々見ようとベビー用品専門店を2軒回りました。店の名前を書く代わりに、1軒目・2軒目と書きます。
取扱商品の違いがあります。1軒目は7,800円から44,000円の品揃えで、主にオリジナルブランドの商品が並んでいました。2軒目は70,000円から上で国内外のブランドが揃っていました。
展示方法も違います。1軒目は重量棚に並べられており手に取ってみたければ、店員にお願いする必要がありましたが、2軒目は広いスペースに並べられており自由に触ることができました。
店員の数も違います。1軒目は広い店内をワンオペでやっているようで、レジに行ってチンベルを鳴らすと、品出しをしていた店員がレジにやってきます。2軒目はレジに立っている店員、商品説明をする店員、品出しする店員と皆さん持ち場にいます。
決定的な違いはお客さんです。1軒目は、子連れのお母さんがお客さんでした。やんちゃそうな子供が走り回っているような親子です。2軒目は、おじいちゃんと娘(多分、お母さん)がお客さんです。
年寄りばかりがお金を持っている。と言われていましたが、チャイルドシートだけでも、お金を持っている高齢者とお金のなさそうな子育て世代があり、それに合わせてお店の棲み分けがあることを実感しました。
ちなみに、私は1軒目で25,000円のオリジナルブランドのチャイルドシートを買いました。数回使いましたが、孫と娘は、チャイルドシートを残して大分に戻りました。大分のおじいちゃんに、ハイブランドのチャイルドシートを買ってもらうようです。