インクライン
2024.12.03 (火)

インクライン2024.12月号を掲載しました。

開始日:2024.12.03 (火)

祝!会員増強京滋会1位~第150回TKC全国会理事会報告~
TKC近畿京滋会 副会長 角谷雅子

令和6年10月17日、第150回TKC全国会理事会
が品川プリンスホテルにて開催されました。各委員会等からの報告の後、坂本孝司全国会会長から「税理士の4大業務を支える巡回監査とTKCシステム」と題して講演がありました。
冒頭坂本会長のあいさつでは、「全国会は岐路に立っている」、飯塚毅初代会長の生の声を聞いたことのある人は少なくなっていますが、今はおられない初代会長の考えを今の時代に合わせてどう展開していくかが重要であると発せられました。また、全国会政経研究会では、政治資金収支報告書への不記載等があった議員について今回の選挙では推薦しないことについて一部反対意見もあったがこの決定は間違っていない。今がチャンスであり、租税正義の実現に向けてきちんと向いてくれている議員をしっかりと応援していくことが重要であるということでした。

【TKC全国会政経研究会】

第50回衆議院議員総選挙における推薦候補者を決定しました。令和7年度税制改正等要望事項については重点10項目のうち緊急・最重点計5項目の提言について合意を得た上で推薦を行うことが報告されました。また、TKC議員懇話会総会の開催についての報告がありました。TKC議員懇話会大口会長からは政治資金規正法改正についてTKC政経研による提言が大いに参考になったことの御礼と、「優良な電子帳簿」の普及・一般化が進んでおらず、TKC政経研が主張する「主要簿に限定した」普及策をしっかり訴えていきたい旨の報告がありました。詳細はTKC会報10月号に記載されていますのでご確認いただきたいと思います。

【職員研修プログラムについて】

「初級職員研修プログラム・ここからシリーズ」のオンデマンド研修コンテンツの追加が報告されました。私もOMSから確認しましたが、内容も多岐に渡り非常に充実しており新入職員には必須の研修として活用したいと思います。職員さんには自信をもって巡回監査に臨んでもらうためにもぜひ巡回監査士試験・巡回監査士補試験に挑戦していただきたいと思います。

【会員増強活動 近畿京滋会1位】

3年間新規入会1千名超の目標を達成したことが報告されました。3年間目標では3地域会(単年度では15地域会)が目標達成し、近畿京滋会は1位で達成することができました。前NMS委員長としてこの場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。会員増強は租税正義の実現に向けて非常に重要な活動です。TKC組織をさらに強固なものとし、我々を取り巻く職業関連法規の是正・立法活動や多くの中小企業支援にあたり、職業会計人の職域防衛と運命打開を実現しましょう。また、入会いただいた会員については今後のフォローが重要になってきます。会員が孤立化しないようニューメンバーズにお声がけいただきたいと思います。ニューメンバーズの活性化が地域会の活性化に繋がります。そして地域会が盛り上がれば各事務所の発展にも繋がります。

【国税局・税務署訪問活動】

本年の国税局・税務署訪問では、税理士法第33条の2第1項に規定する書面の様式が改正され、国税庁HP掲載の添付書面の記載要領で「税理士が行う納税者の帳簿書類の監査の頻度」が例示されました。この改正により「監査の頻度」を補完する「記帳適時性証明書」を紹介するため、例年より前倒しで訪問活動がされています。京滋会においても20税務署中すでに19税務署へ訪問が完了しています(令和6年11月12日時点)。国税庁・税務署からの反応として電子納税やDXに次いで書面添付の推進についての要請や、記帳適時性証明書への関心も高かったようです。翌月巡回監査を実施し、TKC会員の強みを活かすべく記帳適時性証明書の提出をしていきましょう。

【継続MAS予算登録の実践・公表】

「会計事務所の高付加価値経営 実践講座2024」の開催において実際に関与先で実践された職員さんから「普段以上に感謝された」「社長と深い話ができるようになった」「社長の意識が変化した」「所内の雰囲気が活性化した」などの反応があったと報告されました。まだ継続MASが標準業務となっていない事務所についてはどうすれば標準業務となるかをご一考いただきたいと思います。TKC会員で高付加価値事務所経営をされている事務所の殆どは継続MASが標準業務となっています。また関与先の黒字化割合が高い事務所もやはり継続MASが標準業務となっています。現在予算登録件数をProFITで公表できるようになっていますのでこれを機会に公表していただき事務所全体で取り組む体制を構築して下さい。

【TKCモニタリング情報サービス】

金融機関にMISで決算書・申告書をデータで送ることはもはや当たり前となってきています。MISが始まったころは保証協会への利用ができませんでしたが、現在は京都信用保証協会、滋賀県信用保証協会へも利用することができますので今一度OMSから関与先の利用状況を確認いただき、信用保証協会への利用をお願いします。金融機関交流会でも評価が高かった記帳適時性証明書・書面添付・中小会計要領の添付もお忘れなく

【坂本会長講演】

税理士は1企業に対して4大業務を同時提供できる、これを社会から認知してもらうことが付加価値の塊であり職員を含め我々が良い職業人生を送れる。世界先進国の共通三大プロフェッションは①doctor(医師)②lawyer(弁護士)③会計プロフェッション(公認会計士・税理士)であるが、まだまだ税理士の業務内容の理解がなくこれを確立させることが近未来のミッションである。またこの三大プロフェッションの所には弱った人、困った人が相談に来られます、処方箋を出してどういう治療をするかが重要であると述べられました。なぜ月次巡回監査が重要なのか、なぜTKCシステムの活用が必要なのか、が腑に落ちる講演です。
ProFITで公開されていますので職員さんと一緒に視聴していただき、今後の事務所経営の方向性を考える機会としていただきたいと思います。